HIITにダイエット効果はあるのか

近年、ダイエット効果があるとかないとか、とにかく一部で流行のHIIT、ヒット、ヒート。実際にダイエット効果はあるのでしょうか。結論から言うと「ない」・・・いえ、わかりません。

みなさんよくご存知だと思いますが、HIITとは、「ハイ・インテンシティ・インターバール・トレーニング」、高強度のインターバルトレーニングです。

高強度とは数秒あるいは数十秒の短時間で全力で動き心拍数を最高近くまでいっきに上げる、それを短いインターバルで数セット繰り返し疲労困憊になるまで追い込む、という意味で高強度です。

つまり心肺機能と高心拍数での全身持久力向上のトレーニングということになります。ヘルシンキオリンピックの長距離種目で金3つをとったザトペック選手が行なっていたトレーニングという事で広まりました。これが1954年のことです。HIITって、最近のものではないのです。

しかし実際にどれくらいの強度、運動時間時間、インターバル時間でどれほどのトレーナビリティがあるのかという研究が長らくありませんでした。それを1990年代に初めて実験を行い効果的な強度や時間を論文にまとめたのが立命館大学の田端先生です。

ところが日本ではまったく注目されず、海外で「タバタプロコトル(タバタトレーニング)」として話題となり世界中に広まり日本に逆輸入されました。その本家の田端先生は自著の中でこう書いています。「ダイエット効果はない」なぜかって?それは高強度だからです。

心拍数が上昇するとアドレナリンが上昇しインスリンが抑えられ血糖値が上昇します。これは糖質が高強度の運動を継続するためのエネルギーだからです。脂質の利用は逆に下がります。

ただし高強度インターバルトレーニングは、直接的なダイエット効果はありませんが、長期的に成人病予防の効果があるというような研究もあります。そこは筋トレと同じですが、筋肉への刺激は筋トレほど多くはありません。

ただし心肺機能が向上することで持久運動のレベルが上がる、ミトコンドリアが増える、等の効果で間接的に脂質代謝が向上するということはあると思います。

ちなみにHIITとは別に「HIT」というトレーニングもあります。

→HIITとHITの違いとは