パーソナルトレーナーの資格

日本やアメリカではパーソナルトレーナーや運動指導の資格というのは、任意の民間団体が開催する所定の講習を受講し試験に合格した証しとして認定する民間資格です。つまり国家資格でもなく公的な免許制度でもないので、パーソナルトレーナーの「国際認定資格」とか「国際ライセンス」のようなものはありません。

なのでパーソナルトレーナーという仕事は何の資格も持っていなくても開業できます。「私はパーソナルトレーナーです」と名乗ればそれであなたもパーソナルトレーナーです。

例えばトレーナー資格として有名なアメリカのNSCAも民間の任意団体で世界各国に支部があるため、アメリカまで行かなくとも支部がある国内で試験を受けることができるということであって、トレーナーの「国際ライセンス」というものではありません。アメリカのNなんとかといった資格は無数に有りますが、通信講座だけでとれるものや、NSCAのように講習などはなく試験だけで取得できる資格も有ります。

逆に同国では最も歴史が古く権威があるトレーナー養成機関とも言えるNATAのアスレチックトレーナーは、アメリカの大学院を卒業しないと取得できませんが、日本国内はもちろんどこの国でも「NATA認定のトレーナー」として国際的に活動する事はもちろんできます。日本スポーツ協会(JSPO)のアスレチックトレーナーも日本でしか取得でません。

一方ドイツやフランスではフィットネスインストラクターの国家資格があります。柔道など特定の競技コーチも国家資格となっています。日本では医療系の「理学療法士」と「作業療法士」が唯一の運動指導にかかわる国家資格と言えるかもしれません。

ちなみに医師の資格も国際ライセンスはありませんが、2国間協定、あるいはEUや北米など特定地域内の相互承認制度というものはあります。「国境なき医師団」のような国際NGOに医師として参加すれば医師として国際的に活動することができます。

資格なくてもできるんだったらそんな資格取る必要ないやんけ、と思われそうですが、では資格をとることの意味は何か。まず資格を認定する団体から様々な最新の情報を得られる事。それから資格更新のための講習会受講も義務づけられており、常に知識と技術の向上をはかる上で資格の保有は大変有意義です。

先述のアメリカのNATAは、アメリカでは準医療従事者という国家資格並の扱いとなります。「米国国際トレーナーライセンス最高峰のNなんとか保持者在籍」みたいな宣伝も見かけますが、最高峰と言える物が有るとしたらそれはNATAだと思います。日本では運動指導者、というより運動・スポーツ指導の資格に対する認識が欧米に比べるとまだまだ低いように思います。
NATAやJSPOのような半民半公的な所以外は、ようは民間の資格ビジネスの世界ですからどれだけ国内あるいは”国際的”な認知度が高いかどうか、という話です。何処とは言えませんが複数の「米国最高峰の国際ライセンスNなんとか」を確認してますw

ちなみにワタクシが持ってるJSPO公認スポーツプログラマーの認定証には「文部科学大臣認定」と書かれていて、ワタクシの頃は計120時間ほどの講義と実習、試験を経て取得しました。アスレチックトレーナーはその倍くらいの講習時間があったと思います。でも残念ながら国家資格でも並でもありません・・・

SAQインストラクターは30時間ほどの講義と実習と試験、JATIはスポーツプログラマーを持っていたので講習は免除で試験のみで取得できました。